幸せと喜びをつくる
温かく優しい医療がある
慢性期の多くの患者さんは病気の完治が難しく、寝たきりで会話が難しい方も多いです。「生きるは食べるなり」という言葉があるように、自分で食べられなくなったら“生きる”から“生かされる”になります。もし自分がそうなったとき、どうしてほしいのか。患者さんを自分に置き換え、どのような医療が望ましいのか、どうすれば苦痛なく穏やかに過ごすことができるのかを常に考えることが大切です。たとえば、自力で寝がえりを打つことができない患者さんがいれば、自分だったら枕の位置を調整してほしいし、天気が良かったら外を見ることができる位置に動かしてほしい。それが自然とできるような、患者さんに寄り添った医療が慢性期では重要となります。
また、患者さんが最期を迎えるような厳しい局面にあっても、懸命の処置によって患者さんが良くなったときは、共に過ごせる時間が少しでも長くなったことにご家族の喜びは大きく、それは私たち医師にとっても同じです。
このような経験ができることは医師としての幸せですし、野村病院には、患者さんとご家族の人生に寄り添う、温かく、優しい医療が日常にたくさんあるんですよね。
日本は超高齢社会であり、慢性期医療は今後ますますニーズが高くなる重要な医療です。慢性期で働くことはとても大きな意義があるのではと思います。